歯痛の症状というのは、その原因によってさまざま。中でももっとも多いのは虫歯ではないでしょうか。代表的な症状としては「熱いもの、冷たいものを口に含むと歯がしみる」「たたくと響くような痛みが長く続く」といったものが挙げられます。口の中にはたくさんの種類の細菌が住んでいるのですが、虫歯の原因菌となるのがミュータンス菌。ミュータンス菌は口に残った砂糖などの糖分を栄養分にして歯の表面にくっつき、増殖して歯垢を形成します。その歯垢が歯の表面のエナメル質を徐々に溶かしていき、歯に穴をあけるのがいわゆる虫歯の状態。虫歯を放置しておくと細菌が神経や血液にまで侵入してしまい、歯の根元部分が化膿して全身に悪影響を及ぼす恐れもあります。

そして歯周病も歯痛の原因の1つ。現在40歳以上の日本人のおよそ8割が歯周病にかかっているといわれているくらい患者が増えています。歯垢を放置していると、隣接した歯茎が炎症を起こして歯と歯茎の間に歯周ポケットとよばれる数ミリの隙間を形成します。この歯周ポケットに歯周病菌が侵入して数年単位で歯周組織を壊していき、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあるのです。

虫歯や歯周病による激しい痛みであれば、歯科での根本治療が最善策です。歯科では歯を削ったり抜いたりといった治療行為を歯科医師が行い、歯垢の除去やブラッシング指導などを歯科衛生士が行うのが一般的。歯科医師の免許は大学の歯学科で学士をとり、国家試験に合格することでとれる一方、歯科衛生士は専門学校でも資格をとることができます。そのため、名古屋医専などの専門学校に通い、現場で活躍するための知識やスキルをつけている人が多いようです。こういった歯科治療のプロがチームを組んで治療にあたってくれるので安心して任せられます。

歯痛の場合、歯痛錯誤といって痛い場所を錯覚してしまうことがよくあります。本当に痛いのは思っていた歯の隣の歯だった、なんてことも珍しくありません。歯科医師も早く原因を突き止められるようにレントゲンなどを行いますが、原因究明にかかる時間を短縮したいならこちらから痛みの具体的な症状や痛んでいる期間などの細かいことを話すといいでしょう。一刻でも早く歯痛から解放されたいのであれば、プロの手を借りるのが1番です。