癌、なんとなく恐い病気というイメージがありますが、実際どのような病気なのでしょうか。
一言で言ってしまうと、誤作動を起こしてしまった細胞の集団がどんどん増殖していく病気です。
ヒトのからだには決まった役割を持つ細胞からできており、その細胞が分裂し、大きくすることで成長していきますが、細胞が増えすぎないようにコントロールされてもいます。
誤作動を起こしてこのコントロールから外れてしまったものは腫瘍と呼ばれます。
この腫瘍の中でも、他の細胞を取り込んだり、他の場所に移ったりしながらひろがっていくものが悪性腫瘍、つまり癌なのです。
癌細胞は正常な器官以上に多くの栄養を消費して増殖します。
そのため、栄養を取ることが単純には治療につながりにくい面があります。
これによって正常な器官は栄養が足りなくなったり、増殖した癌細胞に圧迫されて機能不全になったりします。
また、ホルモンの分泌にも異常が出るため、発症していない部位にも悪影響が出てきます。
原因は多くの要素が絡み合っていると考えられていますが、一般的に言える「健康的な」生活をすることが予防につながります。近年は治療技術が発達し、発症しても治療できる場合が増えています。
早期発見がより確実で安全な治療につながることは変わりません。
癌の発症を予防するためには、健診を受けることが大切です。生活習慣をいくら良くしたとしても、すべての発生を未然に食い止められるというわけではありません。そこで、早期に発見して予防するということが大切になります。検診を受ける人が増えると、癌で死亡する人を大幅に減らすことができるのです。現在広く行われている検診は、胃・大腸・肺・乳・子宮・前立腺における検診です。
胃の検診はよく知られているように、バリウムを飲んでレントゲン撮影を行います。
大腸については、便に混じった血液を見つけることによって発見を目指します。実際に行われるのは、2日分の便を小さな容器に取ってきてもらうのが一般的です。
肺の検診では、レントゲン撮影する方法と、痰を検査する方法とを組み合わせて行うのが一般的に行われています。
乳部の検診では、医師の診察に合わせて、乳房を板ではさんでレントゲン撮影を行うマンモグラフィーが実施されます。
子宮の検診では診察及び、細胞を採取して発見を試みます。
前立腺の検査ではSPAという血液検査が行われます。
癌検診はまだ症状のない早期のものを発見するための検査であり、すでに明確である症状の精密検査を行うものではありません。しかし、症状の進行を予防するためには極めて有効な手段です。
今癌という病気は治せるものとなっています。昔は不治の病といわれていましたが、今では手術で取り除くこともできるのです。そして治療法の一つに放射線治療というのがあります。手術することで体に傷がつくこともありませんし、手術がどうしてもこわいという人にはいいのではないでしょうか。どのような治療法かといえば、体の癌がある部分に放射線をあてることで癌を小さくし、さらには消すというものです。放射線治療はどこの病院でもしているわけではないので、探すのが大変かもしれませんが今では徐々に増えていっています。
放射線治療を専門に扱っている病院もありますので、信頼できるところを探すのも重要です。治療といっても痛いことや難しいことはないので、患者は横になって治療を受けます。あてる部分には分かるようにしなければいけないので、体にしるしをつけるような感じになるでしょう。なのでそれが少し気になるかもしれません。放射線をあてるということで不安もあるかもしれませんが、気になることが全部聞くことです。それによって自分がいいと思ったら、放射線治療という選択をしたらいいのです。癌が見つかったからといって悲観的になることはないということです。
放射線治療はいまやがん治療に欠かせないものです。また、手術をしないという点で様々なステージの人に有益な治療法です。しかしながら確実に副作用はあります。それにより、治療される本人も不安になるでしょうし、周囲の人だって不安になります。治療される本人もそれを支えるご家族も放射線治療の正しい知識を身に着けることをお勧めします。
« 癌の手術治療癌予防のための検査 »癌の手術治療には、癌の病巣を切除して、病巣が臓器の周辺組織やリンパ節に転移している場合は、それらも一緒に取り除きます。早期のものや、ある程度の進行ですんでいる癌の場合に、切除が可能な状態であれば、適応されます。
手術治療のメリットは、癌のかたまりを一気に取り除くことができることや、検査で見つけることができないくらい小さな転移がなければ完治する可能性が非常に高いことです。
しかし、体にメスを入れるので、手術によるキズの治癒や、全身の回復に時間がかかることがデメリットです。また、切除した部位によっては、臓器や体の機能が失われてしまいます。このデメリットを解消するために、近年では、切除する部分をできるだけ小さくする縮小手術という方法や、内視鏡を使ってメスを入れる部分を少なくする腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術などが行われていて、体への負担が少なくなっています。最新の手術方法や、手術器具も開発されていて、ますます、体にかかる負担の少ない手術を受けることができるようになっています。
手術治療以外にも、化学療法や、放射線療法などの治療法があるので、治療をする際には、たくさんの病院の医師に相談することが重要です。
癌に対する薬物療法として抗がん剤治療があります。抗がん剤は癌が増えるのを抑制したり成長を遅らせたりすることによって、転移するのを防いだり、あるいは再発するのを抑えたりすることができます。
外科手術によって切除する方法が普及していますから、切除すれば治ると考える人もいるでしょう。しかしながら、切除するのが非常に難しい部分というものもあります。例えば血液やリンパが癌になったときには、広い範囲に対して治療を行う事が必要となり、そのために切除という方法をとることはできないのです。このような場合に抗がん剤治療が効果的だと考えられます。
抗がん剤を単独で行う事もありますが、それ以外の治療方法を組み合わせることもあります。例えば、最近では放射線治療が注目されていますが、この放射線治療をするときにも抗がん剤を投与することも多いです。また、抗がん剤治療を行う場合であっても一つの薬剤のみを投与することもあれば、複数の薬剤を組み合わせて投与することもあります。色々な組み合わせによって効果を高めることが窺知されているのです。
抗がん剤には色々な種類があり、それぞれで目的が異なっています。特定の分子のみを標的としたものもあれば、細胞全体を標的としてものもあります。